東日本大震災の影響で、東京電力の原子力発電所や火力発電所などが停止し、3月は電力が不足する事態となりました。
電力不足対策として、東京電力は計画停電 輪番停電を実施しましたが、経済産業省は4月で計画停電を原則的に打ち切る方向で検討している様です。
計画停電(輪番停電)が中止・月内終了となった原因ですが。
計画停電 原則打ち切り 理由
- 気温の上昇で暖房の使用が減少。
- 休止中の火力発電所の運転再開。
- 節電効果で電力消費量が減少。
- 産業界から「計画停電は操業計画が立てにくい」と言った不満が噴出。
- 計画停電は、住民生活や企業活動に大きな混乱が生じる。
- 東京二十三区の大半が計画停電の対象から外れた事に、他地域住民が反発。
と言った理由が挙げられます。
大口需要者に電力使用制限を発動
政府は電力需要が年間でピークとなる夏場は原則停電せず、大企業などの大口需要者に電力使用制限を発動する事で、計画停電を回避する方向に転換します。
大企業に対する使用制限は、電気事業法に基づく電力使用制限令を発動して行い、夏の需要のピーク時間帯(午後一~二時)の最大消費電力を昨年比25%程度削減する方向で産業界と調整していて、違反すれば百万円以下の罰金が科せられます。
計画停電は、今後はもう起こらないの?
結論から言うと、今年の夏の気温が平年以上に高い場合、現状のままでは電力消費の多い7月・8
月・9月の夏場には電力が足りず、再び停電する可能性があります。
計画停電は、今月末をめどに「原則打ち切り」となりますが、気温が急上昇して電力供給が大幅に不足すると、制御不能の大規模停電が起きるので、セーフティネット(安全網)として再び「計画停電」が実施される可能性が有る様です。
枝野官房長官(写真右)は、2011年4月6日午前の記者会見で、計画停電について
「緊急措置であり、できるだけ早く計画停電が行われないようにしなければならない」
と述べる一方
「不測の大規模停電を引き起こさないよう、計画停電のシステム自体は当面継続したい」
という考えを示しています。
計画停電無しで、夏場の電力は足りる?
東電の電力供給力は、震災前は5,200万キロワットありましたが、東日本大震災で福島の原子力発電所や各地の火力発電所が停止した為、3,100万キロワットにまで減りました。
4月6日時点の電力供給力は、停止した火力発電所を相次いで再開させた結果、4,050万キロワットに回復しています。
さらに夏までには、自家発電を行っている石油企業・鉄鋼企業の余剰電力の購入、タイの発電公社からガスタービンの無償貸与、韓国の現代重工業からディーゼル発電機の無償贈与などで、5,000万キロワットの電力が確保される見込みです。
しかし、昨年の最大電力需要は、2010年7月23日に記録した約6,000万キロワットで、東電は2011年夏の最大需要を、節電効果を加味しても5,500万キロワットと見込んでおり、電力を強制的に遮断する計画停電なしでは電力が500万キロワット程不足すると見られています。
仮に不足分の500万キロワットを、さらなる設備の増強によって確保したとしても、大きな余震で発電所に新たな被害が生じる可能性も有ります。海外の大地震の例では、最大の余震が本震の1年後に起きたケースも有ります。
老朽化で停止した火力発電所の再開についても、長期間止めていた火力発電所を再稼働するため故障などによる運転停止の恐れが有ります。
さらにマズい事に横浜地方気象台によると、今夏の日本の平均気温は平年より高めに推移すると予報されています。
気温が1度C上がるごとに、使用電力は170万キロワット増えてしまいます(‘A`)
夏場の計画停電(輪番停電)の実施については、東京電力のホームページのトップページに今後の計画停電の実施予定が掲載されているほか、テレビ・ラジオ・新聞等で計画停電の日程や情報が確認出来ます。