逆日歩 意味
逆日歩(ぎゃくひぶ)とは、株の信用取引(制度信用取引)で売り手が買い手に対して支払う手数料を指します。
逆日歩は、貸株料とは別にかかる手数料で、信用取引で売り建てが可能な銘柄に極端に売りが集中するなどして、空売りのための株不足が生じた場合に発生します。
逆日歩 語源
逆日歩は、正式には品貸料(しながしりょう)という名称です。
信用取引の買い方が払う金利を「日歩(ひぶ)」というのに対し、信用取引の買い方が逆に受け取る事が出来るので、日歩の逆と言う意味で、逆日歩と呼ばれています。
逆日歩 仕組み
- 信用取引で買った投資家の株は、証券会社を通じて証券金融会社(東証銘柄の場合、日本証券金融)に集められます。この株が信用取引の売り方に回されます。(手元に株が無くても信用売りが出来るのはこのためです。)
- 信用取引が可能な銘柄は、ほとんどの場合、買い残が売り残を上回っています。この状態では逆日歩は発生しません。
- しかし、信用売りが急増して、売り残が買い残を上回ると、信用の買い方から預かった株だけでは、売り方に貸し付ける株を確保出来なくなります。
- その場合、証券金融会社は、現物株を多く持っている機関投資家(生損保等)などの大口投資家から株を調達します。その際、証券金融会社は大口投資家に「1株当たりいくらなら株を貸してくれるか」と入札で募り、株を貸してくれた大口投資家に手数料を支払います。
- 証券金融会社は、売り方の投資家のために入札を実施したので、手数料は信用取引の売り方が払うことになります。これが逆日歩(品貸料)です。
- 株不足銘柄の株を貸しているのは信用の買い方も同じなので、信用の買い方も大口投資家同様に逆日歩が受け取れます。
なお、逆日歩が発生すると発生以前から売り建てていた人も含めて全員が逆日歩を支払い、買い建顧客全員が逆日歩を受け取れます。
逆日歩 確認方法
逆日歩(品貸料)が、どの銘柄で発生しているかに関しては、東証銘柄の場合、日証金 逆日歩銘柄一覧 速報で確認出来ます。
又、楽天証券のMarket Speed マーケットスピード マケスピなどの株取引ツールでも確認出来ます。
逆日歩 計算方法
例えば1株当たり0.1円の逆日歩が発生した場合、1,000株の1日当たりの逆日歩は
1000株×0.1円=100円
となります。
逆日歩の計算は営業日ではなく暦日数で計算するので、土日、祝日分も徴収されます。
逆日歩 払わず済む方法
デイトレードする
逆日歩は日計り取引(デイトレード)の場合は発生しません。
金利や貸株料は、その日のうちに決済しても1日分発生しますが、逆日歩は1日のうちに決済すれば支払わずに済みます。
一般信用取引を利用する
逆日歩は、制度信用取引のみ発生し、一般信用取引(無期限信用取引)の場合は発生しません。
ただし、一般信用取引で空売りができる証券会社は非常に少ないです。お奨めは一般信用取引で空売り可能で、一般信用取引の取扱い銘柄が一番多く、手数料が安いカブドットコム証券です。
逆日歩 注意点
逆日歩のコストは通常は僅かです。しかし、逆日歩は株が不足すればするほど高くなるので、株不足が深刻な場合は思わぬ高額な逆日歩が発生する場合が有ります。
株主優待の人気銘柄は権利付最終日に高額な逆日歩が発生するケースが有ります。
また、倒産銘柄も高額な逆日歩が付くことが有ります。
逆日歩 まとめ
- 逆日歩は「1日ごとに1株当たりいくら」で発生する
- 逆日歩の計算は営業日ではなく暦日数で計算する。(土日、祝日なども1日として計算する)。
- 逆日歩が発生すると、発生以前から売り建てていた人も含めて全員が逆日歩を支払う。
- 買い方は、逆日歩を貰うことが出来る。
- 発行株数の少ない小型株、浮動株の少ない銘柄、株主優待の権利日などは、すぐに株不足になるので逆日歩が発生しやすい。
- 株が不足すればするほど逆日歩は高くなる。
- 一般信用取引(無期限信用取引)の場合、逆日歩は発生しない。