新日鉄と住金が経営統合を発表
既に昨日からニュースで報道されていますが、2011年2月3日、新日鉄と住金は、2012年(平成24年)10月の時期をめどとする経営統合(合併)の検討を始めたと発表しました。
新日鉄(新日本製鐵 東証1部:5401)と住金(住友金属工業 東証1部:5405)の合併計画によると、本業の製鉄事業を担う新会社の傘下に関連会社を持つ「事業持ち株会社」の形態となる様です。
国内鉄鋼業界1位の新日鐵と、国内3位の住友金属のM&A(合併)により、世界首位のアルセロール・ミタルに次ぐ、世界2位の巨大鉄鋼メーカーが日本で誕生する事になります。
ただ、新日鉄と住金の合計の世界粗鋼シェアは3%強で、国際的にみればシェアは小さいです。
今後は公正取引委員会が、新日鉄と住金の合併を認めるかどうか審査を行います。
合併したら「新日鉄住金」と言った新社名になるのでしょうか?
新日鉄と住金の株価は大幅上昇
下の画像は「ジェイコム20億男 BNF氏」も使っている楽天証券の「Market Speed マーケットスピード(通称マケスピ)」で表示した、2011年2月4日の新日鐵(新日本製鉄) と住金(住友金属工業)の後場引け後の日足チャートです。
BNF ジェイコム男 資産 手法 2ch
新日本製鉄の2月4日の終値は、前日比26円(9.06%)高い313円、住友金属工業は同31円(16.06%)高い224円と大幅に上昇しました。
出来高も膨らみ、新日鉄が約1億6891万株、住友金属が約2億8502万株となりました。
中でも、住金の上昇率が16%以上と大きいです。
関係有りませんが、私の親は住金の株を持っていたのでラッキーでしたが、私は新日鉄も住金の株も持っていませんでした(´・ω・`)ショボーン
また、鉄鋼業界再編の思惑から、新日鉄と住金が株式を保有している神戸製鋼所や、競合関係のJFEホールディングスの株価も2%以上、上昇しました。
新日鉄と住金が合併(経営統合)する理由は? なぜ?
新日鉄と住金の合併(経営統合)の理由として
新日鉄 住金 経営統合 理由
- お互いの得意分野を生かし、相乗効果を生み出す
- 高炉の統廃合などにより、経営を効率化
- 資源メジャー台頭による資源価格の高騰に対し、原材料の価格交渉などで国際的な競争力・発言力を高める目的
- アルセロール・ミタルによる敵対的買収対策
と言った理由が挙げられます。
1番目の「お互いの得意分野を生かし、相乗効果を生み出す」ですが、新日鉄は高級鋼板「ハイテン(高張力鋼板)」を作っていて自動車用などの製造業に強みを持ち、住友金属は「石油掘削用のシームレスパイプ(継ぎ目なし鋼管)」などエネルギー資源分野で強みが有るので、両社が組み、苦手な分野を補う事で、相乗効果を生むメリットが期待出来ます。
最後の「アルセロール・ミッタル(ミタル)による敵対的買収対策」ですが、世界1位の粗鋼メーカのアルセロール・ミタルCEOの「ラクシュミー・ミッタル(ミタル)氏」は、投資ファンドなどと協力しながら各国の鉄鋼メーカーを次々と敵対的買収し、急拡大しています。
ミタル・スチールは、2006年に世界2位の鉄鋼メーカーのルクセンブルクのアルセロールを敵対的買収し、世界1位の粗鋼メーカとなりました。
高い技術力を持つ新日鉄と住金は、当然ながらアルセロール・ミタルによる買収のターゲットになる可能性が高いので、今回の新日鉄と住金の経営統合は、敵対的買収を防止するという目的も大きいと個人的に思っています。
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