2012年12月12日、ヤフーがFX事業に参入すると発表しました。
ヤフーは、サイバーエージェント100%子会社のサイバーエージェントFXの全株式を2013年1月末に約210億円で買収して完全子会社化し、FX事業に参入します。
FXサービスの名前は「サイバーエージェントFX → ワイジェイFX(YJFX!)」となります。
以下「Yahoo! JAPAN広報からのお知らせ」からの引用です。
目次(タップで各項目へ)株式会社サイバーエージェントFXの全株式取得について
プレスリリース
2012年12月12日
ヤフー株式会社~Yahoo! JAPANとして初めて金融事業に本格参入。金融事業を新しい事業の柱へ~
Yahoo! JAPANを運営するヤフー株式会社(東京都港区、代表取締役社長:宮坂学、以下、Yahoo! JAPAN)は、FX(外国為替証拠金取引)※1サービス事業を行う株式会社サイバーエージェントFX(東京都渋谷区、代表取締役社長:西條晋一、以下、サイバーエージェントFX)の全株式を取得することといたしましたので、お知らせいたします。Yahoo! JAPANが金融事業に本格参入するのは初めてとなります。
サイバーエージェントFXは、株式会社サイバーエージェント(東証マザーズ上場証券コード:4751)の100%子会社としてFXサービスを提供しております。
2009年10月に提供を開始したiPhoneアプリ「iPhone Cymo」を皮切りに2011年2月にはAndroid版をリリースし、機能面でもシンプルで直観的な操作性を実現するなど、高水準なスマートフォンツールに強みを持っております。
全株式取得の目的
1.決済・金融事業を強化し、Yahoo! JAPANの新しい事業の柱へ
Yahoo! JAPANでは、決済・金融事業をYahoo! JAPANのさらなる成長に向けた今後の新しい事業の柱にしたいと考えております。従来はYahoo!ウォレット※2など決済事業が中心でしたが、事業強化の取り組みの一つとして、金融事業の中でも成長分野の一つであるFX事業に参入するべく、業界大手のサイバーエージェントFXを完全子会社化することといたしました。
これにより、金融事業や金融システム開発のノウハウを取り込むことで時間的、コスト的にも効率化を図ることができ、FX事業へのスムーズな参入が可能になります。また、サイバーエージェントFXの強みであるスマートフォンの取引ツールを活用し、「スマートフォンファースト」を事業方針に掲げるYahoo! JAPANがスマートフォンでの利用者増加をさらに推進してまいります。
2.Yahoo! JAPANの既存事業とのシナジー
(1)Yahoo! JAPANユーザーのロイヤリティ向上
Yahoo! JAPANでは、有料会員サービス「Yahoo!プレミアム」※3を展開し、会員向けに様々なサービスや特典を提供しております。今後は、会員向けへ投資商品の案内などこれまでにない新たな特典を追加することで満足度の向上に繋げていきます。また、Yahoo!ポイントについても取引の度にポイントが貯まるようにするなどYahoo! JAPANならではのサービス向上にも取り組んでいく予定です。
(2)Yahoo! JAPANの集客力を活かした効果的なサービスプロモーション
Yahoo! JAPANは、パソコンで4861万人※4、スマートフォンで1900万人※5が利用する日本最大級のインターネットの総合情報サイトです。その集客力を活用した効果的なプロモーションを行うことで、サイバーエージェントFXの利用者のさらなる増加に繋げていきます。
以下、サイバーエージェントFXのサイトからの引用です。
株式の異動について
この度、当社株式会社サイバーエージェントFX(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:西條 晋一、以下サイバーエージェントFX)の親会社株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:藤田 晋、以下サイバーエージェント)は、2012年12月12日開催の取締役会において、ヤフー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:宮坂 学、以下ヤフー)へ、当社の全株式を譲渡する事を決議致しました。
現在弊社が提供しております、「外貨ex」「くりっく365」「C-NEX」「MT4」のサービスにつきましては従来通りお取引頂けますのでご安心下さい。
また、ヤフー社の既存事業との連携を強化し、お客様により満足頂けるサービス提供を行っていく予定でございますので、今後とも変わらぬお引き立ての程、何卒宜しくお願い致します。
今後、何らかの決定等があった場合には、当社ホームページ等にて、ご報告致します。
引用ここまで。
ソースはこちら。
ヤフー、サイバーエージェントFXを子会社化し、FX事業参入
サイバーエージェントFXは、株式会社サイバーエージェントの100%子会社としてFXサービスを提供している企業です。
サイバーエージェントFXの2012年10月時点の口座数は約21万件で業界4位、月間取引高は約12兆円で業界3位のFX業者です。
ヤフーは今回のサイバーエージェントFX株式取得によって、時間やコストを掛けずにFX事業に参入します。
今後、ヤフーは「Yahoo! JAPAN」の集客力を活かして利用者を拡大し、FXを始めとする金融事業をヤフーの新たな事業の柱とする考えの様です。
既にサイバーエージェントFXの口座を持っている場合の対応は?
サイバーエージェントFX側の発表によると
現在弊社が提供しております、「外貨ex」「くりっく365」「C-NEX」「MT4」のサービスにつきましては従来通りお取引頂けますのでご安心下さい。
と明記されているので、既にサイバーエージェントFXの各口座を持っている方は、特に手続きをする事無く、従来通り引き続きヤフーでFX取引出来る様です。
2016年3月28日追記:「MT4」と「クリック365」は既に終了しました。
サイバーエージェントFX 株式譲渡 理由
サイバーエージェントによると
「選択と集中」という観点から、サイバーエージェントFXの株式をヤフーに譲渡。
今後は「Ameba」を注力事業とし、インターネット広告事業、SAP(ソーシャルアプリケーションプロバイダー)事業、投資育成事業に絞って事業を展開していく。
と発表しています。
ただ、個人的には2012年5月にSBIホールディングス子会社のSBI FXトレードがFXに参入した影響が大きいと思います。
SBI FXトレード スプレッドは、ドル円0.11銭と狭く、SBI FXトレード 最低取引単位 1通貨で手数料無料で取引可能です。
対してサイバーエージェントFXは、FX 1,000通貨 手数料無料 比較を御覧頂ければ分かりますが、スプレッドがSBI FXトレードより広いうえ、サイバーエージェントFX 外貨ex 1,000通貨単位 手数料は片道30円です。
この結果、多くのFXトレーダーがSBI FXトレードに流れている事が、今回のFX事業売却に少なからず影響していると思います。
SBI FXトレードのスペックの高さは、SBI FXトレード SBIホールディングスの子会社である点や、SBIリクイディティマーケット カウンターパーティの多さが大きく影響しています。
システムやカウンターパーティは、サイバーエージェントFXのものを利用すると思われる「ワイジェイFX(YJFX!)」は、果たしてSBI FXトレード以上のスペックを、FX投資家に提供出来るのでしょうか?(´∀` )