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ロシア株価暴落 オリガルヒ(富豪)支配終焉 国家統制強化へ

ロシアで、ソ連崩壊後に台頭したオリガルヒ(新興寡占資本家)と呼ばれる大富豪たちが金融危機の影響を受け、没落の瀬戸際に直面している。政権は世界3位の外貨準備を元手に莫大(ばくだい)な市場支援策を打ち出しているが、どのオリガルヒを救済するかは政権の胸算用ひとつにかかっている。今回の危機を逆手に取り、政権が経済の主導権をオリガルヒから奪還、国家統制をより強めるとの見方が強まっている。

ロシアは、米フォーブス誌の2007年世界長者番付で上位100位に19人が入るなど、世界に冠たる富豪大国だった。ところが、金融通信社、ブルームバーグの推計によると、ロシアの株式市場が下落を始めた今年5月以降、ロシアの大富豪ら上位25人は資産の62%にあたる2300億ドル(約23兆1500億円)以上を失い、多くが長者番付から転落する可能性が出ている。

番付でロシア1位の「アルミ王」デリパスカ氏は160億ドルの損失を出し、傘下企業の一時操業停止や資産切り売りに追い込まれた。3位で英サッカーチーム「チェルシー」のオーナーとしても知られるアブラモビッチ氏は203億ドルを失ったという。ロシアの大企業はこれまで、ルーブル高も背景に低利の外国資金を調達してきたが、米金融危機に伴う市場混乱で途絶え、一転して膨大な債務超過と資金調達難に直面している。

ロシア政府は約7割も株価が暴落した状況を受け、9月以降にGDP(国内総生産)の15%にあたる2000億ドル規模の市場支援策を発表した。ただ、これら資金の多くは国策銀行や政府系の3大銀行を通じて支出されることになっており、政権寄りの「産業企業家同盟」ですら、公開書簡で「政府に近い特定の企業の人工的強化」に対する危惧(きぐ)を表明した。

多くのオリガルヒはソ連崩壊後、国有資産の民営化に乗じて破格値で資産を獲得、それを雪だるま式に増殖させた。また、96年の大統領選でエリツィン大統領(当時)の再選を資金面で援助したほか、資金不足に悩む政府を支援して政治への影響力も強めた。

しかし、プーチン前政権発足後の03年、石油大手「ユコス」のホドルコフスキー社長=シベリアで服役中=が拘束され、同社が解体・再国有化されてから流れが変わった。政権に従順なオリガルヒのみが生き残るという暗黙のルールが出来上がり、政権は地下資源分野などの再国有化を一気に推し進めてきた。今回の金融危機は、そのプーチン首相(前大統領)に国家管理での一層の自由や権力を与え、政権内で新たな利権をめぐる闘争が激化する恐れがある。

プーチン前大統領の補佐官を務めた経済学者のイラリオノフ氏は、「ロシアの危機の根底にあるのはグルジア戦争をはじめとする権力の行動であり、経済への国家介入だ。あらゆる指標から見て、ロシアの状況は世界でも最悪の部類に属する」と語る。そのうえで、「今回の危機を政権は都合のいいように利用するだろう。ロシア経済は独占化の方向に向かっている」と指摘している。

ロシアはBRICSの1つであり、資源国という観点から株価は大きく上昇してきましたが、今年の5月以降、経済に対する国家統制懸念やグルジア紛争、世界的な金融危機や原油価格の下落、米金融危機の影響で約7割も株価が暴落しています。

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