日本航空(JAL) 経営破綻
JAL(日本航空)の会社更生法申請が、2010年1月19日(火)に決定しました。
会社更生法申請とは、事実上の倒産(破綻)です。
以下、毎日新聞 2010年1月16日(土)からの引用です。
日航、更生法19日に申請 混乱回避に全力
日本航空の法的整理に伴う金融機関の債権放棄で、数百億円から1,000億円規模の国民負担が生じる可能性が有る事が分かった。
日航向け債権の中に、政府保証付きの融資があるためで、債権放棄による回収不能分の一部は事実上、税金で穴埋めされることになる。
日航は2010年1月19日に会社更生法の適用を申請、あわせて官民出資の企業再生支援機構が出資や融資などによる支援を正式決定する。
機構は既に、日航の債務のうち、担保などで保全されていない部分の83%をカットする方針を固め、金融機関に3,585億円の債権放棄を求めている。
この中には、100%政府出資の日本政策投資銀行が昨年6月に実施した670億円の危機対応融資が含まれる。債権放棄で焦げ付く分の8割を政府が穴埋めする事になっており、国民負担は少なくとも440億円に上る見通しだ。
また、政府系金融機関の日本政策金融公庫の一部門である国際協力銀行も、日航の3,000億円規模の債務を保証している。担保付きの債権がほとんどだが、500億円を超す保証の履行を求められる可能性もある。
機構は、新生日航の財務基盤強化のため、債権放棄額を4,000億円超に引き上げることも検討しており、銀行団が受け入れれば、国民負担が増える恐れがある。
さらに、顧客離れなどで日航の再建が順調に進まない場合、融資や保証の多い政府系金融機関の焦げ付きが拡大。政府系金融機関支援のための国民負担が発生しかねない。
引用ここまで。
事実上の国有化
日航は、2009年10月に設立された「企業再生支援機構(機構)」によって国有化されます。
その後は、機構の下で「再建 → 再上場」を目指す事になります。
経営破綻 原因
JAL(日本航空)が会社更生法(倒産)に至った理由として、以下が挙げられます。
高額給料
JAL「JALの年収は、国内外の同業他社(ANA等)と比べ非常に高額です。」
例えば、JALパイロットの平均年収は1,800万円と極めて高額です。
女子高生「あくまで平均なので、中年社員の給料はさらに高額です。」
しかもJALの場合、実際の業務の有無に関わらず、月65時間搭乗した分の賃金が保障されていました。
客室乗務員や地上職員も高年収で、経営破綻の原因となりました。
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高額年金
JALは退職者の年金額も年額600万円以上(基礎年金+厚生年金+企業年金)と高額です。
男性「年金の負担も、JALの経営を圧迫していました。」
ストライキの頻発
JALは労働組合が8つも有り、力が強く、既得権益(きとくけんえき)に「しがみ付く事」で有名です。
JAL労組「我々は、社員の既得権益を守る為に、ストライキを頻繁(ひんぱん)に決行しています。」
JALの労組は、会社にとって重要な以下の事柄については、微塵(みじん)にも考えていません。
- 利用客の迷惑。
- 会社の損害。
- 株価の下落。
女子高生「その結果、業務改革が遅れ、業績悪化→株価暴落しました。」
既得権益による業績悪化
女子高生「つまり、既得権益への固執による業績悪化が潰れた理由です。」
まるで、現在の日本の縮図の様な気がします。
昨年のGM ゼネラル・モーターズ 破綻 破産と全く同じ構図です。
会社更生法後の日本航空
旅客機は利用可能
日本航空は「航空機事業を継続しながらの再建」となります。
乗客「従ってJALの飛行機は、再建中も今まで通り利用出来ます。」
給与水準は変わらず高額
JAL社員「今後のJAL社員は、他の民間企業の平均と比べると給与水準は相変わらず高額です。」
この原資は「国民の1,000億円の血税」です。
企業年金も高額
退職者に関しても同様で、60%企業年金がカットされても「月額で40万円もの企業年金」が支給されるそうです。
男性「この原資も国民の血税です。」
JALは国民をナメ過ぎですね(´Д`)
JAL客室乗務員「そんな事言っても、私達にも生活が掛かってるし・・」
JAL男性社員「最低でも年収一千万円無いと生活出来ないっス。」
日本航空の再建計画について
株は100%減資
経営破綻となるJAL(日本航空)の再建計画には、以下の内容が明記されています。
- 支援機構が、第三者割当増資を引き受ける。
- 支援機構が、日航に3千億円を出資する。
- 既存株式の100%減資を実施する。
女性「投資家にとって最大の問題は、既存株式の100%減資ですね。」
日本航空の株について
株はマネーゲームに
会社更生法申請が決定したことで、日航株は先週からマネーゲームとなっています。
デイトレードやスキャルピングなどの短期的な利ざやを狙う取引が急増し、出来高は数億株に膨らんでいます。
男性「ライブドア上場廃止の時は、膨大な注文で処理の遅延が多発しました。」
現在は、2010年に導入された東証の新システムのアローヘッド arrowheadが稼働しています。
最大で従来の600倍の処理速度を誇るアローヘッドにより、膨大な注文が遅延する事無く処理されています。
株価は1円まで下落
法的整理に伴う「上場廃止 → 国有化」でJAL(日本航空)の株は無価値とります。
女性「従って株価は下値を切り下げ、JAL 最終株価 1円になると思われます。」
最終的に無価値に
日本航空株は100%減資なので、上場廃止後は株は紙クズ(0円)になります。
と言っても、以前なら紙の株券が有りましたが・・
女性「現在は株券の電子化によって、ペーパーレスとなっています。」
従って、実際は紙クズにすらなりません。「完全に無」になります。
女子高生「話は聞かせてもらったわ! 貴方のJAL株は滅亡する!」
JAL男性社員「な、なんだってー!」
再上場でも復活せず
100%減資とは「これまでの株式は全て無効にする代わりに、新しい資金を投入して経営を再建する。」と言う意味です。
個人投資家「従って今後、日本航空 再上場しても現在、投資家が持っている日航株は復活しません。」
勿論、「従業員持ち株会」で日航株を持っている社員も同様です。
JAL客室乗務員「私のJAL株が消滅!」
JAL男性社員「さらに俺はリストラ。」
航空券、マイレージ、株主優待
何れも無効にならない
支援機構は「JAL(日本航空)利用客の航空券、マイレージ、株主優待券は今後も利用出来るようにする」と公表しています。
女の子「航空券、マイレージ、株主優待券を持っている方は安心ですね。」
ただ、これらの原資は、国民の1,000億円の血税と思われます_| ̄|○
JALが嫌いな方や、血税をつぎ込まれるのが嫌な方は、ANAカードを作ってANAのマイレージを貯めるといいと思います。