東証 システム障害 売買停止
2020年10月1日(木)午前7時4分、東証(日本取引所)の株式売買システム「アローヘッド」にシステム障害が発生しました。
女性「障害の影響で、東証は取引開始時間(午前9時)から終了時間(午後3時)まで一日中、売買停止しました。」
以下、日本取引所のサイトのマーケットニュースからの引用です。
2020/10/01 東証
本日の売買の取扱いについて
平素は、当取引所証券市場の運営につきまして、格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
先ほど本日の東京証券取引所における立会内取引及びToSTNeT取引について、全銘柄の売買の終日停止をお知らせいたしましたが、本日の取引状況については下記のとおりとなりますので、ご留意ください。
また、明日以降の予定については改めてご連絡いたします。
投資家、市場関係者の皆様にはご迷惑をおかけしておりますこと、お詫び申し上げます。
記
- 立会内市場
本日、立会内市場において、全銘柄について約定は成立しておりません。
一部の銘柄について、FLEXで約定したという相場情報が配信されているものもありますが、それらは正式な約定通知ではありません。
また、売買停止までの間に受け付けた注文については、すべて明日以降の売買には引き継がれません。- ToSTNeT市場
8時56分までに受け付けた注文については、約定が成立しており、すべて約定通知が配信されています。以上
引用ここまで。
東証の株価ボード
下の画像は「2020年10月1日(木)午前11時15分頃」の東証の株価ボードです。
「現在値」と「前日比」を拡大すると・・
何も表示されていません。
本来なら平日の木曜日かつ、東証 前場 取引時間中なので
ストップ高 ストップ安で無い限り
各銘柄の右側に、株価の「現在値」と「前日比」が表示される筈です。
東証全銘柄が終日売買停止
システム障害による売買停止の対象は「東証の全銘柄」です。
女子高生「東証1部、2部、ジャスダック、マザーズ市場など、約3,700銘柄が売買出来ませんでした。」
東証の売買が終日止まるのは、1999年5月の全面システム化以降では初めてです。
札証、名証、福証も売買停止
東証同様「アローヘッド」のシステムを使っている「札幌、名古屋、福岡の各証券取引所」も終日売買停止となりました。
大証は通常通り
大阪取引所の売買は、通常通り行われました。
- 日経平均先物
- TOPIX先物
- JPX日経400先物
- マザーズ指数先物
などの株価指数も、値が付いています。
通常稼働の理由
女性「東証・札証・名証・福証は、現物株の取引が多いので売買システムは、富士通のアローヘッドです。」
それに対し大証は、主にデリバティブ(金融派生商品)を扱っています。
ですから大証の売買システムは、NTTデータのJ-GATEが採用されています。
為替相場は通常通り
女の子「為替に関しては、アローヘッドのシステムは使われていないので、通常通り取引が行われています。」
FXに関しても、通常通り取引可能です。
翌日は終日正常稼働
翌日の2020年10月2日(金)は、機器の交換とシステムの再起動により、通常通り朝9時から取引が行われました。
東証の各種ボード
日経平均株価も無事、表示されています。
個別銘柄にも値が付きました。
なお、前日の10月1日は「全銘柄、値付かず」だったので、全ての銘柄において「前日比」が表示されていません。
富士通 株価チャート
アローヘッドのデベロッパー(開発元)の富士通(証券コード6702)の2020年10月2日(金)の後場引け後(終値)のチャートです。
女子高生「会社の信用低下を嫌気し、株価は前々日比ー2.75%下落です。」
後場になって、アメリカのトランプ大統領の新型コロナウイルス感染のニュースも伝わりました。
にも関わらず暴落と言う程、株価は下げていません。
前日(2020年10月1日)に、東証の「宮原 幸一郎」社長が
- 責任の所在は、市場運営者として我々(東証)に全面的に有る。
- 富士通への損害賠償は現時点で考えていない。
と発言しており「賠償問題に発展しない事が、株価の下落が限定的な理由」と思われます。
日本取引所 株価チャート
日本取引所(証券コード8697)の2020年10月2日(金)の後場引け後(終値)のチャートです。
こちらに関しても前々日比ー1.94%と、それ程大きな下落では有りません。
なお、チャートは何れも楽天証券のマーケットスピードのものです。
システム障害 原因
今回のシステム障害の原因は「ハードウェアの障害」です。
以下、日本取引所のサイトのマーケットニュースからの引用です。
2020/10/01
東証 障害に伴う売買の停止について【第5報】
本日は、ハードウェアの障害及び障害の起こった機器からバックアップへの切り替わりが正常に行われなかったことによって相場情報が配信出来なくなりました。
現在、ハードウェアについては交換を予定しており、その他メンテナンス等を含め、明日以降、正常な売買ができるよう対応を行っています。
本日は、仮に再起動した場合における投資家や市場参加者へ混乱を生じさせることが想定され、それにより円滑な売買の実施が難しいと考えられた事から、市場参加者と協議の上、終日売買停止することとしたものです。
原因はディスク装置の故障
「アローヘッド」には、売買の基本的な情報を保存している「共有ディスク装置」が有ります。
女性「今回は、共有ディスク装置1号機のメモリが故障しました。」
バックアップ切替も失敗
「共有ディスク装置1号機」に不具合が起きた場合、通常はバックアップ用の「共有ディスク装置2号機」に自動的かつ瞬時に切り替わります。
女性「しかし2号機への自動切替が出来ず、サーバーが停止しました。」
手動切替も断念
2号機への切り替えは、手動でも可能です。
しかし、十分な動作テストもせず「手動切替 → システム再起動」を行うのはリスクが有ります。
例えば、障害中に出した注文が反映されず、取引所や投資家に思わぬ混乱が生じる可能性が考えられます。
個人投資家「システム障害中に取り消した注文が、取消されずに約定してる!」
その為、手動切替は断念し、終日売買停止に至りました。
自動切替の失敗理由
自動切替が出来なかった理由ですが
- 2019年11月に「アローヘッド」を全面的に刷新(さっしん)。
- その際「メモリ故障による障害が発生した場合、自動切り替え出来ない設定値」にしてしまった。
つまり、こう言う事になります。
- 単純な設定ミス。
- もしくは、そもそもメモリ故障を想定していなかった。
女性「設定ミスは、2020年10月4日(土)に修正しました。」
アローヘッド「動作テストで自動切替の正常動作も確認済で、再発の可能性は低いです。」
サイバー攻撃の可能性は無し
今回のシステム障害は「ハッキング、DDoS攻撃、コンピューターウイルス感染」と言った「ハッカーなどの第三者による攻撃」が要因では有りません。
過去のシステム障害
2006年1月
2006年1月(約14年9カ月前)の「ライブドア事件」では、システムダウンにより東証の全銘柄の売買が一時、停止しました。
時々有るけど
東証のシステム障害は
珍しいですね。
サブ口座を開設しても
意味無いわね。
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